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長期化するサプライチェーン問題。サプライヤーの見地からの交渉

  • SHIG ONIMURA
  • 2022年7月20日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年8月3日



新たなコロナ変異種が次々と蔓延する中、今後もサプライチェーン問題は続くと思われます。

供給遅延が発生した場合、以下のような検討点があります。

契約上の不履行免責。供給部品契約には通常、不可抗力条項が定められている。一般的には、天災、戦争、感染症の世界的流行を含む当事者のコントロール外の事情が原因による契約履行義務違反について、免責されることを定める。とはいえ、契約書によって、不可抗力条項の内容は様々である。例えば、昨年改定されたフォード自動車とトヨタ自動車の部品供給契約の該当条項を見てみよう。


フォード自動車契約では、売手サプライヤーに材料を部品を購入している材料業者などによる納入遅延があった場合も、売手サプライヤーの履行義務違反も免責される定められている

(Section 39.01)。一方で、トヨタ自動社契約では、サプライヤー側の当事者による材料または輸送手段確保に問題が生じたために履行が遅れた場合、それは不可抗力条項によって免責とならない、と定められている。サプライヤーとしては、供給義務違反が、いかに契約上の不可抗力事象に起因したものであるか主張することが、カギとなる。


また、Force Majeure条項が契約上合意されていない場合、州法上のForce Majeureに関する免責を定めた法律が適用される可能性がある。適用される各州法を検討する必要がある。


契約上の和解。売手サプライヤーの納入遅延が契約上の不可効力にあたらず免責されないと判断された場合、買手は契約解除、損害賠償補償請求などの契約上の権利を主張するとは限らない。継続した供給が必要で、代替サプライヤーから直ちに購入することが困難な場合、買手は売手と今後の納入条件について交渉することになる。製造移管、航空費を使った納入に関する費用負担について、売手サプライヤーが財政力が十分でないなどの理由で、契約に従った負担を売手に強いることができない場合もある。そのような場合、サプライヤーにとっては合意した対応措置を明記した和解契約を締結し、和解の対象となった問題について、相互に今後責任を追及しないと合意することは有益である。


長期契約の解除。場合によっては、供給契約を打ち切る交渉につながることもある。売手サプライヤーにとって、当該部品製造をめぐる製造運搬コストが高騰そ、継続した供給履行は過大な負担となるなどの理由である。当該交渉を持ちかける場合、履行拒絶とならないよう注意が必要だ。締結されている契約上の期間は、売手に供給義務があるからだ。売手サプライヤーはしばしば、多くの在庫積み上げ、移管先の代替サプライヤーへの技術援助についても話し合われる。



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